業務プロセスの区分
デジタル化・AI導入補助金(通常枠)では、申請するソフトウェアが持つ業務プロセスの種類によって、補助の対象かどうかや補助額の区分が決まります。区分は次のとおりです。
| 種別 | プロセス |
|---|---|
| 共通プロセス | 顧客対応・販売支援/決済・債権債務・資金回収管理/供給・在庫・物流/会計・財務・経営/総務・人事・給与・教育訓練・法務・情シス・統合業務 |
| 業種特化型プロセス | その他業種固有のプロセス |
| 汎用プロセス(単体では申請不可) | 汎用・自動化・分析ツール |
区分の正式名称と要件は、事務局が公表する公募要領でご確認ください。
この区分は、自社の業務を書き出すときの手がかりにもなります。以下では、区分ごとによくある状態と、見直しの観点をまとめました。
顧客対応・販売支援
- よくある状態
- 問い合わせや商談の履歴が担当者ごとに分かれ、対応状況を共有できない。
- 見直しの観点
- 顧客情報と対応履歴の一元化。
- AIを使う余地の例
- 問い合わせ内容の分類や、定型的な返信文の下書き。
- 書き出すときのヒント
- 問い合わせの入口(電話・メール・Webなど)と、記録している場所を書き出します。
決済・債権債務・資金回収管理
- よくある状態
- 入金確認と消込を目視で行い、未回収の把握が遅れる。
- 見直しの観点
- 入金データの取り込みと照合の自動化。確認が必要な取引だけを人が見る運用。
- AIを使う余地の例
- 入金データと請求データの照合の補助。
- 書き出すときのヒント
- 請求から入金確認までの手順と、使っている帳票・データを書き出します。
供給・在庫・物流
- よくある状態
- 在庫数がシステムと現場で合わず、欠品や過剰在庫が起きる。
- 見直しの観点
- 入出庫記録の統一。
- AIを使う余地の例
- 過去の入出庫の動きをもとにした、発注量の検討の補助。
- 書き出すときのヒント
- 入庫・出庫・棚卸しのタイミングと、記録する人を書き出します。
会計・財務・経営
- よくある状態
- 月次の数字がそろうまで時間がかかり、判断が遅れる。
- 見直しの観点
- 仕訳や集計の自動化。経営指標を決まった時期に確認できる仕組み。
- AIを使う余地の例
- 仕訳の候補づくりや、月次資料の下書き。
- 書き出すときのヒント
- 月次の締めの手順と、数字の出どころ(どの表・システムから来るか)を書き出します。
総務・人事・給与・教育訓練・法務・情シス・統合業務
- よくある状態
- 勤怠や各種申請の確認が、紙やメールに分散している。
- 見直しの観点
- 申請・承認の電子化。規程やマニュアルを探しやすくする工夫。
- AIを使う余地の例
- 規程やマニュアルの検索と要約。
- 書き出すときのヒント
- 申請の種類ごとに、提出・確認・承認の流れを書き出します。
業種固有の業務
- よくある状態
- 業界特有の作業が汎用ソフトに合わず、Excelで補っている。
- 見直しの観点
- 業種向けツールの有無の確認。既存データとの連携方法の整理。
- AIを使う余地の例
- 業種向けツールの機能を確認したうえで検討します。
- 書き出すときのヒント
- 業界特有の作業と、Excelで補っている部分を書き出します。
汎用・自動化・分析ツールの扱い
業種や業務を限定しない汎用・自動化・分析ツールは、単体では申請できません。業務プロセスを持つソフトウェアと組み合わせる場合に、対象として検討できます。
書き出しの記入例
工程ごとに、担当・使うデータ・使うツール・困っていることを一行ずつ書き出します。最初から細かく書く必要はありません。
| 工程 | 担当 | 使うデータ | 使うツール | 困っていること |
|---|---|---|---|---|
| 受注 | 営業事務 | 注文書(メール・FAX) | メール、Excel | 注文書の内容をExcelに転記している |
| 出荷 | 倉庫担当 | 出荷指示書 | 紙、Excel | 在庫数を別の表で確認している |
| 請求 | 経理 | 受注一覧 | 会計ソフト | 受注一覧から請求書を作り直している |
表は記入の例で、特定の企業の実例ではありません。
書き出した結果をもとに課題を整理する進め方は、業務整理とAI活用の設計をご覧ください。
